飯塚高校サッカー部の第11期生 卒部式が2025年2月28日、のがみプレジデントホテル宴会場にて開催されました。
今年の3年生は65名。彼らの3年間の努力を称え、思い出を振り返り、次のステージへ送り出す場として、指導者や保護者が一堂に会しました。
式は島田一真部長による開式の言葉に始まり、6人1組で円卓を囲んで会食していた3年生がテーブルごとに壇上に上がり、ひとり2分程度のシェアタイムが設けられました。
一人ひとりが3年間の思い出や感謝の言葉を語りました。グループごとのシェアが終わるたびに、中辻喜敬監督から労いと未来へ向けてのエールとなる言葉が贈られました。
続いて、前キャプテン、松尾優輝(太陽SC)のスピーチが行われました。この日は在校生代表として、キャプテン吉田善(TSV四日市)、森本快(オリエント)、ホペイロ(用具担当チーフ)笹尾勇太(オリエント)の3人が練習後、卒部式に駆けつけました。
「前キャプテンからの学びを生かし、チームを鼓舞するリーダーでありたい」(吉田)
前キャプテンからバトンを渡されたキャプテン吉田善は、式の中で印象的だったことをこう振り返ります。
「松尾くんがスピーチの最後に、僕や森本についても言及してくれたのがうれしかったです。僕は最近試合に出ることができずにいたのですが、松尾くんの『腐らずに続けていれば必ずチャンスがある。続けることで道が拓ける』といったメッセージが心に強く刺さりました。
松尾くんは太陽のような存在でした。とにかく明るくて、どんなにキツい状況でも周りに声をかけて、練習中も常に工夫しながら、チーム全体の雰囲気を良くしようとしていたんです。
明るさがベースにありながらも、厳しさも優しさも兼ね備えていて、本当に素晴らしい人でした。キャプテンとしての在り方は見習うべきものが多く、特に声かけの部分は僕自身も意識して取り組んでいますが、まだまだ松尾くんには及ばないと感じています。
僕は特別に足が速いわけでも、圧倒的な技術を持っているわけでもありません。でも、松尾くんから学んだことを実践し、周囲への声かけ、それによってメンバーを鼓舞して、一人ひとりの力を引き出していくキャプテンであろうと決意しました」(吉田)

式の途中には保護者の有志の皆様が制作した思い出ムービーの上映が行われ、会場にいた全員が過去の試合や練習風景を振り返りながら、感慨深い表情を浮かべていました。
新たな挑戦へエールを
その後は、中辻監督から締めの言葉が贈られました。
「この学年を選手権の舞台へ連れていきたかった。あれだけ厳しい練習を積み重ねて、追い込んで、「勝つんだ」という思いでやってきましたが、結果として勝利に結びつけられず、申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
ただ、皆さんの残してくれたものは大きいです。それを次の世代が受け継ぎ、成長していくことでしょう。吉田キャプテンが言ってくれたように、全国の舞台へと進むことが、君たちが築いた道の先にあります。2024年11月4日、選手権の準決勝(第103回全国高校サッカー選手権・福岡県予選の準決勝。東海大福岡に2-1で敗れて3連覇はならず)。この日を忘れず、かわいい後輩たちを応援し続けてください。
卒業後は新たな場所へ羽ばたいていく中で、プロ選手になってもいいし、別の道を選んでもいいし、挫折することがあったっていい。どんな道を選んでも、夢や目標に向かってがんばってほしいと思います。ただ、大事なことは、絶対に命を絶つなよということ。自分の命も他人の命も大切にして生きてください。
最後に、飯塚高校を選んでくれて、最後までがんばってくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。お別れは辛いですが、この飯塚高校サッカー部で過ごした3年間が、皆さんの未来に役に立てばうれしいです。そして、皆さんのこれからの人生が幸せに満ちたものであることを心から願っています」(スピーチを要約)
飯塚高校サッカー部では、【「勝ち」というゴールではなく「選手一人ひとりの人生というゴール」「勝利のその先」】を見据えた指導をしています。
飯塚高校サッカー部を羽ばたいた選手たちがこの先どんな道に進もうとも、ここで培った経験が一人ひとりの人生を豊かにするきっかけとなっていれば幸いです。
その後、写真撮影時間が設けられて閉会となりました。
この卒部式は3年間の努力を振り返り、仲間との絆を確かめ、未来へ向けて新たな一歩を踏み出す大切な節目となりました。保護者様の多大なご協力もあったおかげで、感動的な式となりました。
3年生の皆さん、3年間お疲れ様でした。これからの新たな挑戦を心から応援しています。
