飯塚高校サッカー部/FOOTBALL CLUB IIZUKA

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特別対談:「当たり前をコツコツ続ける人や会社が応援される」原夢希×岩田産業 代表取締役社長 岩田章正

飯塚高校サッカー部では、多くのスポンサー様からご支援をいただいており、選手とスポンサー様との交流を深めることを目的に、両者による対談や座談会を順次実施していくこととなりました。

今回はスポンサーの1社である「岩田産業株式會社」から代表取締役社長 岩田章正さんをお招きしました。

サッカー部を代表して登場したのは、GKとして多くの試合で活躍を見せる原夢希です。高校卒業後は就職を考えている原と高卒採用を強化している岩田産業との親和性の高さから、今回の対談が実現しました。

前編の最後では「成長できる環境や組織」について語り合い、飯塚高校サッカー部のスローガン「兎を追い越す亀となれ」、岩田産業のプライベートブランドにもなっている「タートルウィン(亀が勝つ)」との親和性に盛り上がったふたり。

後編では岩田社長から原への質問のターンで、チームワークやリーダーシップについて、両者の考えが語られました。誰にとっても欠かせない食分野で社会を支える会社の代表として、食に関する問いも投げかけられ、原のキュートな一面も明らかになりました。

(前編)特別対談:「努力を続ける人と組織は、兎を追い越す亀となる」原夢希×岩田産業 代表取締役社長 岩田章正こちらから

当たり前を積み重ねる力が、信頼と結果をつくる

岩田社長:飯塚高校サッカー部には190人近くも部員がいるんですか。そんな大きな組織で全体をまとめていくには、やっぱり日々の姿勢や行動が問われますよね。特に原さんが所属するトップチームのメンバーは、全体を率いる存在だと思います。その中で原さん自身はどんなことを意識してきたのか聞いてみたいです。チームの中で信頼を得るために、具体的に心がけてきたことってありますか?

原:1年生、2年生の頃はなかなか結果が出なくて、試合にもあまり絡めず、下位のカテゴリにいました。そのとき、どういう先輩が試合に出ているのか、観察しつつ考えていました。

すると、スタメンで出ている選手たちには共通点があるなと気づきました。まず、日常生活が整っているんです。食事や掃除はもちろん、礼儀、時間の使い方まで、全体的に隙がないというか、サッカーに全力を懸けている姿勢が伝わってくる。逆に、トップチームにはいても試合に出られていない選手には、生活面に少し乱れがあるような印象を受けました。

だから僕はサッカーももちろん大切ですが、それ以上に寮での暮らしや学校生活も疎かにしないようにと、1年の頃から意識してきました。今は試合に出る立場になったので、授業を真剣に受けるとか、忘れ物をしないとか、そういう「日々の当たり前」を当たり前にやるようにしています。

応援される選手でありたいと思ってますし、「原が出るなら応援したい」と思ってもらえるような選手を目指しています。試合に出る選手の責任として、そこはすごく大切にしていることです。

岩田社長:うちの会社では「一流の仕事人である前に、一人の人間として一流であれ」ということを大切にし「一流人間心得7カ条」を実践しています。一流と聞くと、特別に優れているとか、何かすごい能力を持っているようなイメージを持つかもしれませんが、私たちの定義は少し違います。「当たり前のことを、当たり前にできる人間」――そんな人こそが一流だと考えています。

具体的には「自分から挨拶できる」「礼儀を守る」「履き物を揃える」「ありがとうが言える」「嘘をつかない」「時間を守る」「後片付けができる」。どれも小学生でもできるようなことです。でも、これを誰に見られていなくても毎日やるって、意外と難しい。でも、そこに人間としての誠実さがにじみ出てくるんです。

これは原さんの話にも大いに通じると思いました。サッカーの実力が高いだけじゃダメで、日々の生活態度がチームに影響を与えるように、私たちもビジネスの場では人間性が結果に直結します。一度だけの取引で終わるんじゃなく、何度も繰り返して信頼を積み重ねていくには、誠実さが必要不可欠です。

どんなに仕事ができても、ルールを守らなかったり、自分だけは特別という態度をとったりしたら、組織としては成り立たない。サッカーも会社も、最終的には個人の力ではなく、チームの力で勝っていくものだと捉えています。

サッカーと違って会社では「応援されている状態」は感じにくいかもしれませんが、実際にはたくさんの仲間の支えがあって、営業のメンバーが結果を出せているんです。会社で大切にしている言葉「1人の百歩より、100人の一歩」。まさにそれが組織としての強さだと思います。原さんの話を聞いていて、通じるところが本当に多いなと感じました。

一番好きな食べ物は「両親がつくってくれる卵焼き」

岩田社長:ここからは私が用意していた質問をさせてもらいますね。ひとつ目は「好きな食べ物」です。私はハンバーグが一番好きなんですが、原さんは何が一番好きですか?

原:父がつくってくれる卵焼きです。小学校の頃から、父がお弁当をつくってくれていました。土日祝日の夕食も基本的に父が担当で。

岩田社長:お父さんのお仕事は飲食関係なんですか?

原:いえ、違います。料理が趣味なんです。

岩田社長:素敵な趣味ですね。お父さんの卵焼きの魅力は何ですか?

原:少ししょっぱくて、ご飯が進むところです。母がつくると甘めな卵焼きなので、「あ、今日は父だな」ってすぐ分かります(笑)。

岩田社長:へえ~、それは面白い。小さい頃から違いが分かってたんですか?

原:当時は特に気にしてなかったんですけど、中学校の試合でその卵焼きを食べたとき、「あれ、なんか病みつきになるな」って思い始めて(笑)。実家にいたときは、普段は父とあまり話さないというか、ときどきケンカをしていたんですけど、その卵焼きだけは本当に美味しくて、機会があれば食べたいんです。今も試合があるとき「お弁当つくってきて」って父にLINEでお願いしています。

岩田社長:長崎から飯塚まで試合を見に来てくれるんですね。

原:はい。今までの試合、どの都道府県で開催されても全部見に来てくれました。試合後に父の卵焼き入り弁当を食べる時間が、すごく特別なんです。何度食べても懐かしく、ほっとする味です。

岩田社長:「お父さんのちょっと塩の効いた卵焼き」が答えですね。寮に入って初めて、家の味のありがたさに気づいたのでしょうか。

原:そうですね。母の卵焼きも好きになりました。ちょっと焦げていて、ざらっとしてて、それもまた美味しい。見た目は父のほうがちょっと不恰好だけど、それも味わい深くて魅力です。どっちの卵焼きも大好きです。

利他の精神で、周りを幸せにする存在に

岩田社長:今みたいに両方の良さを語れるって、お父さんもお母さんも喜ばれますよ。温かい話を聞きました。次の質問に移ります。高校生活や部活動を通じて養った力を、将来社会でどのように生かしたいと考えていますか?

原:飯塚高校は地域とのつながりを本当に大切にしている学校なんです。うちのグラウンドで試合をするときは、大勢の方が応援に来てくださり、どうしても騒がしくなることがあります。そうなると、近隣の方にご迷惑をおかけすることも。だからこそ、地域の方々に向けて自分たちに何ができるかを考えて、サッカー部全体でいくつかの「部署」を置いて取り組んでいます。

岩田社長:部署? 面白いですね。どういう活動をするんですか?

原:たとえば僕は「ホームゲーム担当」として、試合運営の中でボールパーソンを担当する選手をはじめ、皆の役割分担を決める仕事をしています。今日はたまたま地域の清掃活動にも参加してきたんですが、地域の方とのふれあいも大事にしていて、一緒に掃除しながらおしゃべりしてきました。

岩田社長:サッカーをするだけじゃなくて、地域の人たちと一緒に街を盛り上げていくような視点ですね。

サッカー部のために、飯塚市のシルバー人材センターの皆様が開いてくれたランチ会

原:そうですね。飯塚高校での生活を通じて、人と人とのつながりの価値や、地域とともにあるんだといった意識が自然と根づいたと思います。それもあって、社会人になったときも、地域や周囲の人に応援されるような存在でいたいなと考えています。

お客さんから「この会社を応援したい」と思ってもらえるような組織づくりに、自分自身も貢献していきたいです。飯塚で実践的に学んだことを社会でも生かしていきたいですね。

岩田社長:それはすごくいいですね。サッカーを通じて、人との関わりや感謝の気持ちを学んで、それを社会に還元したい——これはこの先必要な考え方だと思います。そういう考えを持っていれば、どこに行っても絶対に通用します。

原:そうおっしゃっていただいてうれしいです。飯塚高校や飯塚高校サッカー部は、そういった考え方が自然とインストールされる環境だと思います。

岩田社長:理想的な環境で学びながら、サッカーをしているんですね。自分のことだけじゃなくて、周りの人のこと、相手の立場に立って「どうしたら喜んでもらえるか」を考えられる人。そういう人は、社会でも自然と信頼されていきますよね。

うちの会社では「利己的か利他的か」という話をよくします。利己的とは自分のことばかり考える人。そういう人は結局、まわりから信頼されないんですよ。

でも日本語にははっきりとした反対語がなくて、あえて言うなら京セラの稲盛和夫さんがよく言っていた「利他の精神」。つまり「他人を利する」という考え方ですね。

まずは自分が相手のために動く。そうすると相手も「この人のために何かしたい」と動いてくれて、自然と良い関係が育まれていく。これがね、結果として大きな力になるんです。

ここまで原さんが話してくれたことは、まさに「利他の精神」を体現しているなと思いました。その考えを大切にして、これからもサッカーでも、そして将来社会に出たときにも、周りを幸せにする存在になってほしいと思います。今日は本当にいい時間を過ごさせてもらいました。ありがとうございました。

原:僕も学ぶことがたくさんありました。こちらこそありがとうございました。

(前編)特別対談:「努力を続ける人と組織は、兎を追い越す亀となる」原夢希×岩田産業 代表取締役社長 岩田章正こちらから

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企画・構成/池田園子

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