飯塚高校サッカー部/FOOTBALL CLUB IIZUKA

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特別座談会:「ひとつの応援が、地域を動かす。——飯塚高校サッカー部とtabiwaがつくる新しい流れ」坂本馳空×高野真音×椎原蓮央×JR西日本 奥紗綾香

飯塚高校サッカー部では、多くのスポンサー様からご支援をいただいており、選手とスポンサー様との交流を深めることを目的に、両者による対談や座談会を実施しています。

今回はスポンサーの1社である「西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)」から、tabiwa by WESTER(以下「tabiwa」)を担当するマーケティング本部 奥紗綾香さんをお招きしました。

サッカー部を代表して登場したのは、サッカーキャプテンの坂本馳空(2年)、運営キャプテンの高野真音(2年)、スポンサー担当チーフの椎原蓮央(2年)の3人です。

tabiwaは、こだわりの企画やおトクな旅行プラン、鉄道・バスが乗り放題になる周遊パス、観光施設やグルメを楽しめるチケットなど、旅をより楽しく、より身近にしてくれる機能が揃ったJR西日本のサービスです。スマートフォンのアプリやWebサイトから、旅の情報収集からチケット購入までを一括して行うことができます。

アプリをダウンロードしておけば、デジタルチケットの購入から利用までがすべてスマホひとつで完結し、旅先での移動や観光をスムーズに楽しめるのも大きな魅力です。

これまで北陸・せとうち・山陰エリアを中心に展開されてきたtabiwaのデジタルチケットをはじめとしたサービスは、2025年12月17日より九州エリアにも拡大。飯塚市を含む福岡県をはじめ、九州各県の魅力をより手軽に体験できる環境が整いました。

座談会 前編では「なぜtabiwaは飯塚高校サッカー部を応援するのか」というテーマを軸に、スポンサーシップの背景や企業として感じていること、地域との関係性について語っていただきます。選手との対話を通じて、地域や未来をつなぐ移動・旅という価値について、一緒に考えていきます。

参加者プロフィール

写真右から坂本、高野、椎原

坂本馳空(2年生)

福岡県飯塚市出身。年中からサッカーを始め、競技歴は約13年。小学生時代から地元のクラブチーム「オリエントFC」に所属し、地域に根ざした環境で育ってきた。

県外進学も視野に入れたが、「地元でプレーしたい」という強い思いから、飯塚高校への進学を決意。ポジションはセンターバック(CB)で、ゴール前の中央を守り、相手フォワードを抑えながら最終ラインを支える。

運動量の高さ、多様なポジションでの万能性などを生かしたチームへの貢献が評価され、2026年シーズンのサッカーキャプテンに就任。新リーダーとしてチームを牽引している。

高野真音(2年生)

大分県出身。4歳のころからサッカーを始め、競技歴は約13年。幼いころからきょうだいがサッカーに打ち込む姿を見て育ち、自然とボールを蹴るようになった。

中学までは地元・大分で過ごし、「大分トリニータU-15宇佐」に所属。「県外の強豪高校で挑戦したい」との思いから飯塚高校へ進学。

現在は坂本選手とともにCBを務め、左利きを生かした正確な左足のキックが持ち味。運営キャプテンとしてチームを内側から支えている。

椎原蓮央(2年生)

大分県出身。年中からサッカーを始め、競技歴は約13年。ポジションはサイドバック(SB)で、守備と攻撃の両面で存在感を発揮する。

小学生時代は同じクラブチームで高野選手とともにプレーし、中学では「大分トリニータU-15」に所属し別々の道を歩んだものの、飯塚高校で再会。

同郷の仲間と再び同じピッチに立てることを喜びに、日々切磋琢磨しながら、スポンサー担当チーフとしてチームと外部とをつなぐ役割を果たす。

奥紗綾香さん

奥紗綾香さん

JR西日本 マーケティング本部 デジタルツーリズム担当

広島県広島市出身。高校卒業後にアメリカへ留学し、米国州立ネブラスカ大学リンカーン校で心理学を専攻。ドイツ語・数学を副専攻とし、在学中にはドイツへ語学留学するなど、国際的な視点を培った。

2007年にJR西日本へ入社。1年目に京都駅の駅員、翌年には在来線の運転士として現場を経験後、京都支社営業課で地域共生や観光開発業務を担当。続く本社営業本部では、外国人旅行者向け予約サービスの立ち上げに携わった。

その後は宣伝・クロスメディア領域に軸足を移し、Webやアプリ、ポイント施策、ポスター・CMなど幅広いプロモーションを担当。2021年からは複数のコールセンターの課長として最大100名規模のメンバーをマネジメントし、新規コールセンターの立ち上げも経験。

2024年より現職。現在は「tabiwa by WESTER」を中心としたデジタル観光施策のプロモーションとシステム統括を担い、ドクターイエローや500系新幹線を活用した旅行商品の企画にも取り組んでいる。

「運転士として現場に立っていた方に、こんなふうに直接話を聞ける機会、なかなかないよね」。奥さんの社歴を知った3人はそんな共通の思いを口にしながら、まずは本題に入る前の雑談タイムとして、運転士時代のリアルに迫る素朴な質問から話をスタートさせました。

知ってほしい、駆け込み乗車の本当の危険

高野

高野:「駆け込み乗車」って、やっぱり多いんですか? 運転士時代に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

奥さん:とても多いです。一番衝撃的だったのは、傘をドアに突っ込んでくる方ですね。ドアがすべてきれいに閉まらないと、電車は「発車していい」というランプが点かない仕組みになっています。

高野:ランプが点かないと、発車できないんですか?

奥さん:そうなんです。全部のドアがきれいに閉まって、パッとランプが光る。それを確認して、信号も問題なければ発車できます。あるとき、ランプが点かないので確認しに行くと、ある車両のドアに男性の傘が挟まっている。「ドアは閉まってますよ」と言われるんですが、「今その傘を突っ込んだのはあなたですよね」と思いながら、必死に引っ張って外す、ということがありました。

高野:傘が……。

奥さん:ドアをもう一度開けるには車掌さんを呼ばないといけませんし、開けた瞬間にまた別の人が駆け込んでくることもある。本当に困る場面でした。

坂本:それは大変ですね……。

奥さん:運転士の立場からすると、定時で発車できないこと自体が大きなストレスになります。でも鉄道会社として最も伝えたいのは、「駆け込み乗車は本当に危険だからやめてほしい」ということです。仮に傘が少し挟まったままでも、条件次第でランプが点いてしまうことがあります。そうなると、傘が少し飛び出た状態で列車がホームを時速45キロほどで走る。もしそれがホームの人に当たれば、大事故につながりかねません。

坂本:それは怖すぎます。そんな危険があるとは思っていませんでした。

奥さん:ほんの少しの油断が、大きな事故につながります。駆け込み乗車は「命に関わる行為」だということを知ってほしいです。

高野:今日のお話を聞いて、電車を使うときは、時間に十分な余裕を持って行動しないといけないなと改めて思いました。

高野のその一言をきっかけに、場の空気は自然と「自分たちの日常の行動が、鉄道を支える人たちの仕事とつながっている」という話題へと移っていきました。

雑談として始まった運転士時代のエピソードは、JR西日本という企業の姿勢や価値観を感じ取る入口にもなっていきます。

そして話題は、いよいよ今回の本題へ——なぜJR西日本は、飯塚高校サッカー部をスポンサーとして支援しているのか。その背景やスポンサーシップを通じて見えてきた変化について、奥さんの言葉から紐解いていきます。

部署に広がった応援と広がった関心

坂本

坂本:JR西日本さんは、2025年シーズンから僕たち飯塚高校サッカー部を支援してくださっています。スポンサーになってくださったきっかけは何だったのですか?

奥さん:きっかけは、私が所属しているマーケティング部門の役職者が、高校サッカーと少しご縁があったことでした。そのころ、私たちはtabiwaをより多くの方に知っていただきたいと考えていて、サービスを九州エリアへ拡大していく準備を進めていたタイミングでもあったんです。

そんな中「高校サッカーという切り口でtabiwaを広げていくのはどうか」といったお話をいただいて、それならぜひやってみようと。本当にトントン拍子で、スポンサー契約が決まっていきました。

私たちのような鉄道会社は、普段はどうしても企業活動が中心で、学校と自然につながる機会はほとんどありません。ただ、企業・地域・学校が連携する、いわゆる産官学の取り組みはとても大切だと感じています。

だからこそ、ご縁あって飯塚高校サッカー部の皆さんとつながり、地域と一緒に何かをつくっていける関係が広がっていくことは、私たちにとってありがたく、素敵なことだと思っています。

椎原:スポンサーを始められてから、奥さんご自身の中で、高校サッカーや飯塚高校サッカー部に対する関心やお気持ちに、何か変化はありましたか?

奥さん:実はそれまで、サッカーをはじめスポーツ観戦にあまり興味がなかったんです。でも、スポンサーシップのお話をいただいて、自分が契約の担当になったことで、「飯塚高校ってどんな学校なんだろう」「サッカー部にはどんな歴史があるんだろう」「どんな選手がいるんだろう」と調べるようになりました。

椎原:それはうれしいです。

奥さん:さらに、試合のあとには「今日はどうなったかな」と、結果を自然と調べるようになっていて。今では、皆さんのことを見守るような気持ちが、部署全体に広がっています。部署のメンバーも、実は皆さんの試合結果を毎回気にかけているんですよ。

坂本:そうやって、遠くにいる大人の方たちが僕たちの試合のことを思い浮かべてくれていると聞いて、本当にうれしいです。「見てくれている人がいる」と思えるだけで、ピッチに立つときの気持ちも変わりますし、感謝の気持ちでいっぱいになります。

奥さん:契約担当として関わる中で、サッカーそのものに興味を持つようになり、今ではスポーツ全般にも自然と関心が向くようになりました。私にとっても、このスポンサーシップは、好奇心が広がる大きなきっかけになっています。

応援される立場になって育まれた「自覚と責任」

高野:以前、別のスポンサー様との座談会に参加したことがあり、そのときも「自分たちは応援していただいている存在なんだ」という実感が強くありました。今日のお話を通して、JR西日本さんのような大きな企業の皆さんが、部署全体で僕たちのことを気にかけてくださっていると知り、改めてその特別さを感じています。

ここからは、そんな企業の皆さんに支えていただいていることを、僕たち自身がどう受け止めているのか、それぞれの思いをお話ししたいと思います。

坂本:中学生のころまでは、スポンサーという存在自体を意識したことがなく、チームは自分たちのお金で成り立っていました。高校に入って、スポンサーのロゴが入ったユニフォームを着ること自体がとても新鮮で、驚きもありました。

でも、監督や周りの大人たちから「スポンサーの方々のおかげでチームは活動できている」と聞くようになって、そこから強い責任感が芽生えました。これまでスポンサーという存在にほとんど触れたことがなかったので、「思いを背負う」ことに対して最初は不安や戸惑いもありました。

ただ、今では、全力でプレーすること自体が、応援してくださる方々への一番の恩返しなんだと思えるようになっています。

椎原

椎原:僕も、スポンサーの皆さんに支えていただくようになってから、サッカーへの向き合い方が変わりました。

これまでは、自分自身の成長のためにプレーしているという感覚が強かったのですが、今は家族や支えてくれている方々、そしてスポンサーの皆さんのためにも走りたい、という気持ちが自然と湧いてきます。その思いが、プレーの原動力になっていますし、心からありがたいと感じています。

高野:4月に中辻監督から「JR西日本さんがスポンサーにつく」と聞いたときは、本当に驚きました。それ以来、街でJR西日本の名前を見るたびに、「自分たちを応援してくれている企業なんだ」と意識するようになりました。

今は背中に「tabiwa」のロゴを背負ってプレーしていますが、スポンサーの名前が入ったユニフォームを着て試合に出る経験は、誰にでもできることではありません。だからこそ、ピッチに立つときは自然と背筋が伸びますし、応援してくださる方のために、自分の力を最大限に発揮しようという意識が強くなりました。

人の流れが地域を元気にする

高野:JR西日本さんは「西日本」という名前のとおり、とても広いエリアを支えている会社だと思います。そんな中で、飯塚というひとつの地域、そして僕たち飯塚高校サッカー部を応援してくださっていることに、どんな価値を感じていらっしゃるのか教えてください。

奥さん:私たちJR西日本は、西日本各地のさまざまな地域と関わりながら、地域と一緒に会社も成長していくことを大切にしています。新幹線でいえば博多から新大阪まで、在来線では下関から東側が私たちのエリアですから、「どうしてJR西日本が飯塚を応援するの?」と不思議に思われる方もいるかもしれません。

ですが私たちは、飯塚で頑張っている皆さんを応援することで、関西と飯塚、そして九州全体のあいだに新しい人の流れを生み出したいと考えています。

tabiwaなどのサービスを通して、九州の方が関西を訪れたり、関西から九州へ人が動いたり。そんな循環が生まれることで、地域は少しずつ元気になっていく。その「人の動き」をつくることこそ、鉄道会社としての私たちの役割であり、価値だと思っています。このスポンサーシップも、そんな想いと、皆さんとのご縁が重なって生まれたものです。

椎原:僕たちが応援していただくことで、試合を見に来てくれる人たちがtabiwaを知るきっかけにもなっているんじゃないかと思います。ユニフォームのロゴを見て「それ何?」と興味を持ってくれる人もいると思いますし、そこから実際に使ってくれる人がいたらうれしいです。

坂本:奥さんのお話を聞いて、「人の流れをつくることで地域を元気にしていきたい」というJR西日本さんの考え方に、とても共感しました。

僕が中学生だったころ、飯塚高校が初めて選手権に出場した年(2022年、第101回全国高校サッカー選手権)に、飯塚市の商店街で行われていたパブリックビューイングに参加したことがあります。

そのとき、勝利が決まった瞬間に商店街中が歓声に包まれているのを目の当たりにして、「飯塚ってこんなにあたたかくて、サッカーでひとつになれる街なんだ」と感じました。その経験が、飯塚高校に入りたいと思ったひとつのきっかけにもなっています。

今は、JR西日本さんをはじめとしたスポンサーの皆さんに支えていただく中で、飯塚高校サッカー部が全国で活躍する姿をもっと多くの人に届けたいという気持ちが、より強くなりました。

飯塚のために、そして応援してくださるスポンサーや保護者の皆さんのために――その想いこそが、これまで自分がサッカーを頑張ってきた原動力です。

高野:これはサッカー部の話というより、飯塚高校全体の話になりますが、僕たちは学園祭を校内ではなく、今坂本が言った飯塚市の商店街で行っています。街の中で実施するので「街なか学園祭」です。地域の方々とコラボしながらイベントをつくり上げて、一緒に飯塚を盛り上げる取り組みをしています。

【関連記事】「街なか学園祭2025」開催のご報告と御礼 | 学校法人 嶋田学園 飯塚高等学校

地域の方々や飯塚高校とご縁のある方、学校に興味を持ってくれている中学生など、本当にいろいろな方が来場してくださいます。「商店街が明るくなった」「商店街がこんなに賑わって感動した」などと地域の方から声をかけていただくこともあります。

奥さんがおっしゃっていた「人の流れをつくって地域を元気にしていく」というJR西日本さんの考え方と、飯塚高校が地域を元気にしようとしている姿勢は、重なる部分があるなと感じました。

椎原:僕は高校に入ってから初めて飯塚という町に来ました。飯塚高校サッカー部では、地域のシニアの方や小学生を試合や練習会に招待するなど、地域の方たちと関わる機会がたくさんあります。

そうした経験を通して、僕たちのサッカーが飯塚に元気を届けているんだと実感するようになりました。全国の舞台で活躍することで、飯塚のことや、応援してくださっているスポンサーの皆さんのことが、もっと多くの人に伝わっていったらうれしいです。

(後編)特別座談会:「動いた先で生まれる物語――tabiwaが育む好奇心の広がり」飯塚高校サッカー部 坂本馳空×高野真音×椎原蓮央×JR西日本 奥紗綾香 に続きます

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企画・構成/池田園子

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